15-02-28 : となりの弁護士「訪タイ」(弁護士原 和良)

2月5日から8日まで、中小企業家同友会のメンバー7名で訪タイした。今回は、日本だけでなく在日の韓国の企業家も同行し国際色豊かな視察旅行となった。東京で何度も会っているメンバーではあるが、一緒に数日間寝食をともにすることは、普段ではわからない相手の性格やバックグラウンドを知る上でいかに大切か、旅に出る度にしみじみ思う。

バンコク現地では、タイの弁護士たちと懇談し、クーデターの評価、市民の受けとめ、今後のASEANの経済動向、日本人ジャーナリストの殺害とISIL(「イスラム国」)の問題など、について意見交換を行った。さらには、友人のつてで、日本の新聞社の支局長と会食の機会も実現した。現地記者からは、日本に記事として配信できない裏話も伺い、「seeing is believing」(百聞は一見にしかず) を実感した。

日本にも解決の難しい政治的問題が存在するが、タイにも難しい問題が山積する。理想と現実のギャップ。理想だけが先行していた自分の若き日を振り返りながら、現実は現実として受け入れながらも理想は失わず、歴史の大きな流れを受け入れ、自分のできることに、取り組むことの重要性がわかる年齢になったような気がする。せっかちだけでは、物事は進まないのだ。

勉強でもダイエットでも仕事でも、2年、3年と続けていてもなかなか思ったように成果がでず、方向性が間違っていたのではないか、もうやめた方がよいのではないかと思う時期がある。

しかし、そういう時期は、飛躍の準備期間であり、蓄積してきた知識、経験、ネットワークが、ある時期とてつもない力を発揮しってつながる時期が訪れることがある。松下幸之助は、これを「時を待つ心」という文章の中で説いている。スティーブ・ジョブスは、スタンフォード大学のコメンスメントの中で「ドット」(点)の話の中で同趣旨のことを話している。そんな興奮を予感できた訪タイであった。

以 上

(弁護士原 和良「となりの弁護士」「オフィス・サポートNEWS」 2015年2月号掲載)

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