25-08-29 : となりの弁護士「それでも3割バッターを目指そう」(弁護士 原 和良)

1 どんな仕事でも、あるいは私生活でも、自分が思い描いた理想どおりに事が進むことは少ない。もちろん、時には望外な幸運が訪れることはあるのは確かだが、いつも障害にぶつかり予想外の苦戦をすることのほうが、みなさんの経験上も多いのではなかろうか。
 しかし、翻って考えてみれば、生きるということはうまくいかないことに日々悪戦苦闘し、悪戦苦闘の末に時々女神がほほ笑むものなのかもしれない。それが人生の宿命である。

2 野球で超一流の打者の打率は、3割である。イチローの4割はとてつもない驚愕の数字である。裏を返せば、10回の打席でどんなに天才的な成績を残す打者でも、6~7回は、打ち損じているということである。それでも、3~4割はヒットにするということは、甘く入った球を見逃さない、難しい球でもなんとかファウルにして粘り、はたまた鍛えぬいた技術力によってヒットにしてしまうということだ。 その上、ヒットか凡打かの紙一重を少しでも高い確率でヒットにしていく精神力も重要だ。
  多くのすぐれたスポーツ選手は、その持って生まれた才能があるのだろうが、そのうえで人には真似できない日々の努力を重ねている。しかも、多くの場合その努力は他人からは見えないのが通常であり、人は結果だけを見てあの人は特別、と評価している。しかし楽をして桁外れの成績を残せる人というのは稀有であろう。

3 仕事でも同じことが言える。取り組んだ仕事の6割~7割は、失敗とは言えないまでも納得のいかない、不満の残る結果だと思うことが日常茶飯事だ。
  そして、うまくいかないことが度重なると、物事すべてがうまくいないかような気持ちになり自信を無くし、気が滅入ってしまうし、すべてを投げ出したい気持ちにもなる。
  でも、しょせん物事の6割から7割は、うまくいかないのだ。人生は凡打の連続である。それでも、2割5分を3割に高める努力、そして4割の峰を目指して日々改善、成長していく努力を怠らないことが大事だ。その努力を積み重ねていったとき、3割バッター、4割バッターとして世間から認めてもらえる成果を上げることができるのであろう。
  4割成功しても、あと6割は改善の余地がある。焦る必要はないが、一ミリでも前に進む努力を積み重ねるしか方法はないのである。
  思ったように物事は進まない中で、それと格闘し前に進むことの中に、本当の人生の幸福がある。

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