24-08-29 : となりの弁護士「子ども起業塾」(弁護士 原 和良)

1 去る8月18日日曜日、埼玉県富士見市で、「子ども起業塾」(主催:アントレキッズ、後援:三芳町教育委員会、富士見市教育委員会)が開催された。中小企業診断士の友人が企画したもので、当日講師陣の一人として参加させてもらった。
  この企画は、小学校4年~6年生を対象に、実際に会社を作ってビジネスに挑戦し、会社や取引の仕組みを体感してもらおうという企画で、当日は17名の小学生が参加し、4チームに分かれて事業を体験してもらった。途中休憩をはさみ、午前9時45分~午後5時までの長丁場の企画となった。
2 当日は、会社設立や事業計画書の作成、資金調達、材料仕入、商品開発、販売促進、販売実践、決算発表、ともりだくさんで、ちょっと小学校高学年生には難しかったかな、というところもあった。
  はじめての企画ゆえ、さまざまな反省点はあったが、「来年もまた来たい」「難しかったけど楽しかった」「ほかの小学校の子と友達になれた」と参加した子どもたちの感想は上々で、一日サポートした私たちの疲れも吹っ飛ぶ企画だった。
3 「起業塾」と銘打った企画であるので、さぞかしサラリーマンなんてなりたくない、自分で会社を作って儲けてやる、という強者が集まって来るのか、と想像していたが、実際にはそうではなかった。
  私の担当したチームは、小学6年生1人と4年生3人のいずれも男性。最初は緊張しているのか、声も小さくおとなしそうな子ばかりだった。
  販売商品も決まり、社長と副社長、財務担当者、宣伝担当者、を決めようと提案すると、誰も社長をやりたがらない。結局、じゃんけんで担当を割り振ることになり、一番負けた6年生のA君が社長に就任した。
  起業塾はある意味社長塾なのに、まるで大人社会のようでこれは子どもたちにはまねしてほしくないと思った一瞬だった。
  どうも、学校では担任の先生からこの企画に参加して当日のワークショップノートを提出すれば、「夏休みの自由研究」となると勧められたようで、自由研究の位置づけでとりあえず申し込んだ小学生や保護者が一定数いたようだ。
  自分の頭で考えて事業を立ち上げる難しさと楽しさを少しでも体験してもらえたら成功だろう。
4 失敗を繰り返しながら新たな社会のニーズに応える事業に挑戦する起業家がたくさんいなければイノベーションは起きない。失敗しても何度も挑戦できる企業家の支援制度も重要だ。
  今後は、若手弁護士向けに「弁護士起業塾」にも挑戦したい。

以上

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