17-07-06 : となりの弁護士「悩みがあるということは、生きているということだ」(弁護士 原 和良)

1 人が生きていく上での、悩みのほとんどは、①人間関係、②お金、③健康(病気)に集約されると言われる。その中でも、悩みの王様は、やはり人間関係(公私ともども)であり、それは悩みの80%を占めているという。

職場でも、地域でも、家庭でも、大半の悩みの源泉は、人間関係であることが多い。

お金は、さしたる重要性はもたない。

そういう意味では、生きるとは、人間関係で悩むことなのであり、それをどう克服するか、あるいはどううまく付き合っていくか、ということかもしれない。その悩みがあることを前提条件として、如何に人間関係をうまく解決してハッピーに楽しく生きることができるかに集約されるのかもしれない。

2 これは、数千年前から変わらない人間の永遠の課題のようだ。これを克服するヒントは、新約聖書のマタイの福音にある。福音には、次のような言葉がある。「自分にしてもらいたいことはほかの人にも同じようにしなさい。」

人は、悲しいかな自分の頭、自分の支配領域、知識、経験からしかものごとを考えられない動物である。善悪の判断は、結局自分の思考の及ぶ範囲でしか判断できない。

では、人間関係を少しでも人間関係をよくする特効薬はあるのであろうか。そのヒントが上述のマタイの福音であろう。

視点を他人に置き換えて、目の前にいる他者は、自分に何をしてもらいたいと欲しているか、を考えて行動することである。これは、すべてのビジネスに共通する特効薬である。

自分が何を相手に欲したいかではなく、相手が自分に何を欲したいか、そこにフォーカスできれば、その施しは必ず自分に帰ってくる。苦しいときこそ、他者目線を大事にするべきである。

数々の人間関係の悩み・苦悩を扱い、これを処理する仕事を弁護士としてやっていると、他者目線でものごとを俯瞰してみることの重要性を日々感じるものである。世の中の、紛争の大半は、突き詰めるとやはり人間関係である。

3 自己啓発の大家であるアール・ナイチンゲールは、そのヒントを与えてくれている。

「あなたに最高の幸せをもたらす行動。これから30日間、出会った人全員を、この世で最も重要な人物として扱ってあげるのだ。そうすれば、あなたも同じような待遇を受けるようになる。」

これから、30日間、これを実践してみるとよい。

おそらく、大半の悩みは、解消又は軽減されるであろう。皆さんの、30日後の実践報告を期待したい。

以  上

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