19-09-29 : となりの弁護士「試験と試練」(弁護士 原 和良)

1 今年は仕事の合間を縫って勉強時間を確保し、中小企業診断士の試験に挑戦しています。中小企業診断士は、国家資格で、中小企業の経営相談や事業計画の策定などの業務を行うコンサルタントとしての資格です。
試験は、司法試験以来30年ぶりとも言えますし、弁護士は日々の事件の中で試されていると言えば日々の試練の延長線上のことかもしれません。
無事8月の一次試験を突破して、現在2次試験に向けてもがき苦しんでいます。

 

2 弁護士なのに、そんな資格はいらないのではないか、司法試験に受かったのだから楽勝だろう、という方がいらっしゃいますが、とんでもないことです。それは、110前後のスコアでグリーンを回るへぼゴルファーである私に、司法試験に受かったのだから、80台で回るのは簡単でしょう、というとも同じことです。見たことのない分野の試験科目を7科目もこなして合格ラインをクリアするのは、簡単なことではありません。
しかも、サラリーマンと違い、定時に仕事が終わるわけではなく、土日も様々な予定が入る仕事であるため、勉強時間を計画的に確保するのは至難の業です。

 

3 ある合格者が言っていました。最後に勝利するのは、断トツに力のある人と、合格圏外から火事場のバカ力を発揮して最後に合格ラインに気合いで滑り込む人だそうです。
確かに、その通りだと思います。先週末、予備校の仲間と自主ゼミをやりました(自主ゼミは、私が自分の法律事務所の会議室を無料で提供しています)。小さな子どもがいる会社員の若い女性は、子どもが起きる前の早朝、通勤電車の中、お昼休み、子どもを寝かせた後が勉強時間だと言っていました。会社のお昼休みは、片手で食べられるファーストフードにして、右手は鉛筆を握って問題を解くそうです。
周りに必死でがんばっている仲間がいると大変励まされるし、刺激を受けます。

 

4 あきらめずに、死力を尽くす。何もこれは試験に限りません。仕事そのもの、人生そのものも同じではないでしょうか。
何でも、できない理由を考えるのは簡単です。いつもギリギリまで張りつめて自分を追い込んでしまう必要はありませんが、ここが勝負だという時や、困難にぶち当たったときに、それをどうやって乗り越えるか、が問われます。

 

以上

Menu