今年も終わろうとしています。毎年恒例の独断と偏見に基づく司法関連の10大ニュースをお送りします。
1 2月24日、ロシアのウクライナ進攻
プーチン大統領によると、これは侵略ではなく「特別軍事作戦」だそうです。戦後の終わりを実感した事件でした。
2 4月1日、改正民法施行により成人年齢は18歳に引き下げ
大人になるのはよいのですが、キャッチセールス等消費者被害が拡大することが懸念されています。
3 4月23日、知床観光船「KAZU1」沈没事故。利益優先、安全軽視の経営により多くの命が奪われました。
4 5月18日、山口県阿武町が誤送金したコロナ関連給付金4630万円の返還を拒否した男性が電子計算機使用詐欺罪で逮捕。データがフロッピーディスクに記録されていたとのことでした。
5 6月17日、最高裁判所は、福島第一原発事故について国の規制権限不行使の責任を否定。原発訴訟に取り組む被害者原告や弁護士たちが、信じて疑わなかった国に対する責任を最高裁は否定。他方で、7月13日、東京地裁では、東京電力の株主が、元会長ら旧経営人4人に合わせて13兆3000億円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。
6 6月24日、米連邦最高裁は、人工中絶を憲法上の権利として認めていた1973年の判決を49年ぶりに覆し、違法と判断しました。トランプ大統領下で進められてきた米連邦裁判所裁判官の人事権行使が、判決に大きな影響を与えた一つの例です。
7 7月8日、奈良市で参議院選挙の応援演説中だった安倍晋三元首相が、銃撃され死亡。統一教会に対する恨みが、殺害の動機であったことで現在も大きな問題となっています。
8 8月17日、東京オリンピック・パラリンピック関連汚職事件発覚。逮捕されたのは、組織委員会元理事の高橋氏とAOKIホールディングスやKADOKAWAの元経営者。11月には、入札談合疑惑で、「電通」なども捜索を受けました。
9 9月5日、静岡県で、3歳女児が保育園の通園バスに取り残され死亡。12月には、同じ静岡県で、保育士3名が園児への虐待行為があったとして逮捕されました。子を持つ親としては、許しがたい事件でした。
10 統一教会による政界汚染は、留まることを知らず、大臣らが次々と辞任。政界と統一教会との根深い関係が今後も解明される必要があります。12月には、旧統一教会の被害者を救済する法案が国会で可決しましたが、その実効性については大きな疑問が呈されています。
さて、来年はどんな年になるのでしょうか?明るいニュースであふれる年にしたいものです。