03-06-10 : ひとこと言わせて頂けば「お金に飢える日本」(弁護士原 和良) 

日本は、今お金に飢えている。ちまたでは、お金持ちになるためのノウハウ本がよく売れている。しかし、お金が貯まる一番大切な原則を見落としている人が多い。

 お金が貯まる鉄則の第1は、収入の範囲で支出すること。第2の鉄則は、お金が儲かっても、収入が増えても生活レベルを上げないことである。ダイエットと同じで、一度上がった生活レベルは収入が下がったときにあわてて元に戻そうとしても簡単にはできない。私が出会う本当のお金持ちは、ブランド品や贅沢品に決してお金を使わない。第3の鉄則は、不必要な借金をしないこと。カードでリボルビング払いをするなどもってのほか。
これを実践すれば必ずお金は貯まるが、息もつまる。人生の目的は、死ぬときにたくさんのお金をもって死ぬことではないのだから。結局、お金と上手につきあいながら人生を楽しむことが大切だ。不思議なものでお金は、「稼ぎたい」と思って追いかけると逃げていくが、お金のことを忘れて一生懸命仕事に打ち込むとお金の方が勝手に集まってくる。
企業に投資が大事なように、人間には投資が必要である。能力を開花させるための経済的・時間的・体力的投資とともに、お金に困らない社会的人間関係の開拓・維持にも投資が必要である。他人や社会に対して目には見えない「貸し」=債権をもつことが、結局は自分の大きな財産になるのだろう。

(弁護士原 和良「ひとこと言わせて頂けば」2003.6掲載)

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