13-09-30 : となりの弁護士「東京オリンピック」(弁護士原 和良)

1 2020年のオリンピックの開催都市が、東京に決まった。56年ぶりの東京開催である。

この50年間の時代の変化は、著しい。

64年当時の日本人の平均寿命は男性が67歳、女性が73歳であったが、2012年の統計では、男性79.94歳、女性86.41歳、と男女とも約13歳も寿命が延び、女性は世界一の平均寿命となった。

この勢いで行くと、これからさらに50年後には、男性93歳、女性99歳の平均寿命となるはずである。

2 しかし、科学技術と医療技術が発達して人間の寿命は延び、人生の時間は50年前と比べはるかに長くなったが、何故か私たちの生活は、便利になればなるほど余裕がなくなり、「時間に追われる」毎日を過ごしているのは何故だろうか。

3 アメリカのコメディアンであるジョージ・カーリンは、次のようにいう。

http://blog.livedoor.jp/yumeworld/archives/1631938.html)。

「ビルは空高くなったが人の気は短くなり、高速道路は広くなったが視野は狭くなり、お金を使ってはいるが得る物は少なく、たくさん物を買っているが、楽しみは少なくなっている。

専門家は大勢いるが問題は増えている、薬も増えたが健康状態は悪くなっている。飲み過ぎ吸い過ぎ浪費し笑うことは少なく、猛スピードで運転しすぐ怒り、夜更かしをしすぎて起きたときは疲れすぎている。

夫婦で稼いでも離婚も増え、家は良くなったが家庭は壊れている。忘れないでほしい愛するものと過ごす時間を。それは永遠には続かないのだ。

生計のたてかたは学んだが人生を学んではいない。長生きするようになったが長らく今を生きていない。

人生はどれだけ呼吸をし続けるかで決まるのではない。どれだけ心のふるえる瞬間があるかだ。」(「この時代に生きる私たちの矛盾」より抜粋)

4 誰にでも、一日は24時間が平等に与えられている。その24時間をどのように生きるのか?

心のふるえる一日一日を送りたいものである。

以 上

(弁護士原 和良「となりの弁護士」「オフィス・サポートNEWS」 2013年9月号掲載)

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