明るい失敗
1 突然訪れた災難。努力してもなかなか成果が出ない。やることなすことが裏目に出る。…
人の人生には、こんなことがあります。そんなときは、となりの他人がとてもうらやましく見えてきますし、自分に自信を失います。
2 ソクラテスの逸話にこんな話があります。
「我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、それを平等に分けようとしたら、ほとんどの人が今の自分が受けている不幸の方がいいと言って立ち去るであろう。」
今から、2400年前のギリシャでも、困難に遭遇した人たちは、自分がこの世で一番不幸なのだと思ってソクラテスの下に相談に来ていたのでしょう。それは、現代でも同じです。
3 弁護士として、私は、毎日「自分が一番ついていない、一番不幸だ」と思う人たちの相談に乗っています。確かに、その当事者にとっては、すべて人生の一大事が起きており、その不遇に身を寄せそこからの脱出方法を一緒に考えなければなりません。
でも、そんな毎日を見ていると、ふと思うことがあります。先ほどのソクラテスの言葉です。自分が落ち込んでいる時は他人がうらやましくなります。しかし、他人には他人の困難があるのであって、それが見えないから自分よりも幸せそうに見えているのに過ぎません。
生きている限り、困難はつきものです。要はそれを不幸と思うか、自分が成長するための課題だと思い、逃げずに向き合うかしかありません。
4 神様が与えてくれた自分が成長するための課題だと思えば、少しは気が楽になります。困難は、逃げると大きくなり、向き合うと自然と消えていきます。
そんな仕事を通じての体験をこの度「明るい失敗~身近な悩みや、ちょっとした躓きからの脱出法」という本にして出版しました。
生きている限り失敗はつきもの。私も日々失敗の繰り返しです。その失敗を明るく乗り越えることが、生きるということそのものだと思います。
ご笑読いただければ幸いです。
https://www.amazon.co.jp/明るい失敗-原-和良/dp/429540120X
以 上