11-11-30 : となりの弁護士「フェイスブックの世界」(弁護士原 和良)

1 フェイスブックを初めてもうすぐ半年になる。

300人ほどの方と友達になっているが、フェイスブック上で毎日新しい出会いがあるのは大変楽しい。フェイスブックのおかげで、何十年も会っていなかった小学校時代の友達と音信がとれた。毎日、プールで泳いでいる報告がアップされるため、刺激を受けて自分もスポーツジムに通うようになった。

予備校時代、同じ寮で過ごした仲間と連絡が取れ、今月は30年ぶりの同窓会を行うことになった。残念ながら既に亡くなった友人も何人かいたが、みんな社会の第一線で活躍しているようだ。

2 フェイスブックを見ていると、何と多種多様な自己主張を好き勝手にみんなしていることか、と感心する。

人間の興味関心は人それぞれ、同じテーマでも物の見方がこんなにも違うのかということに改めて気づかされる。フェイスブックには「いいね!」ボタンしかない。つまり、共感したら「いいね!」ボタンをクリックし、ボタンをクリックされた発信者は、自分への共感者がいることに癒される。

ちょっと感覚が違うな、と思ったら読み過ごせばよい。

3 フェイスブックの人気は、実名でのコミュニケーションであり、人は自分と違うということを認め、承認することの大事さである。

ともすると、同じ会社、同じ組織、同じ宗教、同じグループの人は自分と同じ考えと錯覚してしまう。それは、夫婦や家族も同じである。もともと違う人間なのだということを承認することで、イライラの大半は解消する。

4 日本社会、戦後世界は、長らくレッテルでグループ分けをして思考停止をしていた社会ではなかったか。東西冷戦の中で、資本主義・社会主義のグループ分け、使用者・労働者のグループ分け、保守と革新のグループ分け、…。二項対立的な思考と行動様式では、すべての組織が機能不全となってしまう。

グローバル化が進む中、企業経営では、多様性を積極的に組織に取り込み活性化を図るダイーバーシティ経営が最近話題になっている。

自分と違う考えや文化を受容し、影響し合う中で新しい自分に成長していくことの大切さ。

こんなことに気づかせてくれたフェイスブック生活である。

以 上

 (弁護士原 和良「となりの弁護士」「オフィス・サポートNEWS」 2011年11月号掲載)

Menu